健康診断で「肝機能異常があります」「要精密検査です」と言われても、
「何科を受診すればよいの?」
「症状がないから様子を見ても大丈夫?」
「どのような検査を受けるの?」
と迷われる方は少なくありません。
肝機能異常の原因はさまざまで、脂肪肝のようによくみられる病気から、B型・C型肝炎、自己免疫性肝疾患など、治療や経過観察が必要な病気まで幅広くあります。
また、肝臓の病気は自覚症状がほとんどないことも多いため、健診で異常を指摘された場合には、その原因を一度確認しておくことが大切です。
この記事では、肝機能異常を指摘されたときに何科を受診すればよいのか、また、再検査や精密検査ではどのようなことを調べるのかについて、肝臓専門医が分かりやすく解説します。
肝機能異常は何科を受診すればよいですか?
健診で肝機能異常を指摘された場合は、消化器内科を受診するとよいでしょう。
消化器内科では、健診結果やこれまでの検査値の推移を確認し、必要に応じて血液検査や腹部超音波検査などを行って、肝機能異常の原因を調べます。
肝機能異常の背景には、脂肪肝、アルコール関連肝疾患、B型・C型肝炎などのほか、自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆管炎(PBC)などが隠れていることもあります。肝臓を専門とする医師であれば、こうしたさまざまな肝疾患を含めて評価することができます。
健診で肝機能異常を指摘されても、必ずしも重大な病気があるというわけではありません。一方で、症状がなくても治療や経過観察が必要な病気が見つかることもあるため、自己判断で放置せず、一度原因を確認することが大切です。
肝機能異常とはどのような状態ですか?
肝肝機能異常とは、血液検査でAST・ALT・γ-GTP・ALPなど、肝臓や胆道に関連する検査値に異常がみられる状態を指します。
これらは一般に「肝機能検査」と呼ばれていますが、肝臓の働きそのものだけを表しているわけではなく、肝臓や胆道に何らかの異常がないかを知る手がかりとなる検査値です。
そのため、「肝機能異常」という一つの病気があるわけではありません。どの項目がどの程度異常なのか、以前から続いているのかなどを確認し、その背景にある原因を調べていくことが大切です。
どのような病気が考えられますか?
肝機能異常の原因はさまざまです。
よくみられるものとして、脂肪肝、アルコール関連肝疾患、B型・C型肝炎、薬剤性肝障害などがあります。また、胆管結石などの胆道疾患によって肝機能の数値に異常がみられることもあります。
そのほか、自己免疫性肝炎(AIH)や原発性胆汁性胆管炎(PBC)など、専門的な診断や治療が必要な病気が見つかることもあります。
どのような病気が原因となっているかは、異常がみられる検査項目やこれまでの数値の推移、問診、血液検査、画像検査などを組み合わせて判断します。
肝機能異常の精密検査では何をしますか?肝機能異常の精密検査では、単に肝機能の数値をもう一度確認するだけではなく、
「なぜ肝機能異常が起きているのか」と「肝臓が現在どのような状態なのか」を調べることが大切です。
まず、健診結果や過去の検査値を確認し、現在の症状、飲酒習慣、服用している薬やサプリメント、これまでの病気などについてお話を伺います。そのうえで、必要に応じて次のような検査を行います。
◆
血液検査:AST・ALT・γ-GTPなどの推移を確認するとともに、必要に応じてB型・C型肝炎や自己免疫性肝疾患など、肝機能異常の原因となる病気がないかを調べます。
◆ 腹部超音波検査:肝臓や胆道の状態を観察し、脂肪肝の有無や肝臓の形態、胆道に異常がないかなどを確認します。
◆ 肝線維化の評価:慢性的な肝疾患が疑われる場合には、血液検査から算出するFIB-4 indexなども参考にしながら、必要に応じてFibroScanなどを用いて肝臓の硬さ(線維化)を評価します。FibroScanでは肝臓に蓄積した脂肪量も同時に測定できます。
◆CT・MRIなどの画像検査:腹部超音波検査などの結果から、さらに詳しい評価が必要と判断した場合には、CTやMRIなどの画像検査を行うことがあります。
これらの検査をすべての方に行うわけではありません。健診結果やこれまでの検査値、問診などをもとに必要な検査を選び、肝機能異常の原因と肝臓の状態を総合的に評価します。
肝機能異常は放置しても大丈夫ですか?
肝機能異常は、一時的な体調の変化や薬剤などの影響でみられることもあり、一度の検査値だけで肝臓の病気の有無や重症度を判断することはできません。
一方、肝臓の病気は自覚症状がほとんどないまま経過することもあります。そのため、症状がないからといって自己判断で放置せず、異常がみられた項目やこれまでの検査値の推移を確認し、必要に応じて原因を調べることが大切です。
健診で「要精密検査」や「再検査」と判定された場合は、健診結果を持参して消化器内科に相談するとよいでしょう。
健診で肝機能異常を指摘されても、必ずしも重大な病気があるというわけではありません。一方で、肝臓の病気は自覚症状がほとんどないこともあり
、検査値だけで原因や肝臓の状態を判断することはできません。「要精密検査」や「再検査」と判定された場合には、健診結果や過去の検査値を確認し、必要に応じて血液検査や腹部超音波検査などを行って原因を調べることが大切です。
当院では、
肝臓専門医が健診結果やこれまでの検査値の推移を確認し、必要に応じて腹部超音波検査やFibroScanなどを組み合わせて、肝機能異常の原因や肝臓の状態を評価しています。健診で肝機能異常を指摘された方は、健診結果をお持ちのうえご相談ください。
▷ 肝臓専門外来について Q1. 健診で肝機能異常と言われましたが、自覚症状がありません。受診した方がよいですか?
A. 自覚症状がなくても、一度消化器内科に相談するとよいでしょう。
肝臓の病気は症状がほとんどないまま経過することもあります。健診で異常を指摘された場合には、健診結果や過去の検査値を確認し、必要に応じて原因を調べることが大切です。
Q2. 「要精密検査」と「再検査」は何が違いますか?
A. 健診機関によって判定基準は異なりますが、一般的に「再検査」は異常がみられた数値をもう一度確認すること、「要精密検査」は異常の原因を詳しく調べることを目的としています。
ただし、必要な対応は検査値やこれまでの経過によって異なります。どちらの場合も、健診結果を持参して医療機関に相談するとよいでしょう。
Q3. 肝機能異常を指摘されたら、お酒はやめた方がよいですか?
A. 飲酒が肝機能異常に関係している可能性もあるため、原因を確認するまでは飲酒を控えるとよいでしょう。受診時には、普段飲んでいるお酒の種類や量、飲酒する頻度について医師に伝えてください。