胃・大腸内視鏡
ピロリ菌検査・除菌治療
ピロリ菌は、慢性胃炎や胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどに関係する細菌です。感染していても自覚症状がないことが多く、症状だけでは感染の有無は分かりません。
当院では、これまでの検査歴や除菌治療歴、服用中のお薬などを確認し、一人ひとりに適した検査方法をご案内しています。感染が確認された場合には、除菌治療から治療後の除菌判定まで対応しています。
健診でピロリ菌陽性を指摘された方や、検査・除菌治療をご希望の方はご相談ください。
ピロリ菌検査は何科で受けられますか?
ピロリ菌の検査や除菌治療については、消化器内科・胃腸内科、またはピロリ菌の診療に対応している内科で相談できます。
当院では、消化器病専門医・消化器内視鏡専門医が、胃カメラを含めた検査と除菌治療を行っています。他院の健診や検査でピロリ菌陽性を指摘された方もご相談いただけます。
このような方におすすめです
- 健康診断や人間ドックで、ピロリ菌陽性を指摘された方
- 胃カメラで慢性胃炎や萎縮性胃炎を指摘された方
- これまでピロリ菌検査を受けたことがなく、感染の有無が気になる方
- 過去にピロリ菌陽性と言われたものの、除菌治療を受けていない方
- 除菌薬を飲み終えた後、除菌が成功したかどうかの確認を受けていない方
他院で検査や除菌治療を受けた方もご相談いただけます。
受診の際は、お持ちであれば健診結果、胃カメラの検査結果、過去の除菌治療で使用した薬が分かる資料、お薬手帳をご持参ください。これまでの検査・治療内容を確認し、必要な検査や今後の対応をご案内します。
当院のピロリ菌検査
保険診療でピロリ菌検査を受けるには?
ピロリ菌感染による胃炎に対して保険診療で検査・除菌治療を行う場合は、胃カメラで胃炎を確認する必要があります。
健診の血液検査などでピロリ菌陽性を指摘された場合も、胃カメラの検査歴や結果を確認し、保険診療の対象となるかを判断します。
他院で胃カメラを受けた方は、検査結果をご持参ください。検査時期や所見を確認したうえで、当院でのピロリ菌検査・除菌治療をご案内します。
胃・十二指腸潰瘍を指摘された方も、ピロリ菌感染が疑われる場合には保険診療で検査を行い、感染が確認された場合は除菌治療を行います。
当院で行うピロリ菌検査
| 検査方法 | 調べる内容・検査の受け方 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 尿素呼気試験 | 検査薬を服用する前後の息を採取し、ピロリ菌の働きを調べます | 現在の感染の有無を調べるほか、除菌判定にも用います |
| 便中ピロリ菌抗原 | 採取した便に、ピロリ菌由来の成分が含まれているかを調べます | 現在の感染の有無を調べるほか、除菌判定にも用います |
| 血清抗ピロリ菌抗体検査 | 採血し、ピロリ菌に対する抗体を調べます | 過去の感染でも陽性になることがあるため、除菌歴や他の検査結果と合わせて判断します |
血液検査で陽性なら、現在も感染していますか?
抗体は除菌に成功した後も残ることがあるため、血液検査で陽性でも、現在ピロリ菌に感染しているとは限りません。
特に過去に除菌治療を受けた方では、治療歴や尿素呼気試験・便中抗原検査などの結果を確認して判断します。健診で陽性を指摘された方は、結果票をご持参ください。
服用中のお薬について
胃酸を抑える薬や抗菌薬などは、検査結果に影響することがあります。
尿素呼気試験では、胃酸を抑える薬の種類によって休薬が必要になります。一方、便中抗原検査は、PPI(プロトンポンプ阻害薬)を服用中でも検査できる場合があります。
服用中のお薬と使用する検査の種類を確認し、適した検査方法や検査時期をご案内します。処方薬だけでなく、市販薬も含めてお知らせください。お薬は自己判断で中止せず、事前にご相談ください。
ピロリ菌の除菌治療について
ピロリ菌感染が確認された場合は、飲み薬による除菌治療を行います。治療を始める前に、過去の除菌治療歴、薬のアレルギー、服用中のお薬などを確認します。
除菌治療の流れ
- 一次除菌
最初の除菌治療では、胃酸を抑える薬と2種類の抗菌薬を、通常1日2回、7日間服用します。胃酸を抑えることで抗菌薬が働きやすい環境を整え、ピロリ菌の除菌を目指します。 - 一次除菌に成功しなかった場合
治療後の検査でピロリ菌が残っていることが確認された場合は、抗菌薬の組み合わせを変更して二次除菌を行います。二次除菌も通常、7日間の内服治療です。二次除菌でもピロリ菌が残っている場合は、三次除菌以降の治療を検討するため、大学病院などの専門外来をご案内しています。 - お薬は指示どおりに服用してください
除菌を成功させるためには、決められた量・回数・期間を守って服用することが大切です。症状がない場合も、自己判断で薬を減らしたり中止したりしないでください。飲み忘れた場合は、まとめて2回分を服用せず、当院または薬剤師にご相談ください。副作用が疑われる場合の対応については、次の項目でご説明します。
費用の目安
保険診療の条件を満たす場合、ピロリ菌の検査・除菌治療・除菌判定には健康保険が適用されます。
ピロリ菌検査の費用
| 検査方法 | 3割負担 |
|---|---|
| 尿素呼気試験 | 1,800~2,500円程度 |
| 便中ピロリ菌抗原検査 | 1,200~1,900円程度 |
| 血清抗ピロリ菌抗体検査 | 1,100~1,800円程度 |
尿素呼気試験と便中ピロリ菌抗原検査は、治療後の除菌判定にも使用します。
※検査当日の診察料を含む目安です。結果説明のために別日に受診する場合は、別途診察料がかかります。初診・再診の違いや、同じ月に受けた他の検査、診療内容などによって金額は異なります。
除菌治療の費用
| 検査方法 | 3割負担 |
|---|---|
| 一次除菌(7日間) | 2,000~3,000円程度 |
| 二次除菌(7日間) | 1,700~2,500円程度 |
※除菌薬を処方する際の診察と、薬局で支払う薬代・調剤料などを含む目安です。初診・再診の違いや、薬局で算定される費用などによって金額は異なります。感染検査と治療後の除菌判定の費用は含みません。
胃カメラを行う場合は、別途検査費用がかかります。
除菌治療の副作用と注意点
主な副作用
除菌治療中には、次のような症状がみられることがあります。
- 下痢・軟便
- 吐き気、腹部の不快感
- 口の中の苦みなど、味覚の変化
- 発疹・かゆみ
症状が出た場合は、程度に応じて薬の継続や中止を判断します。気になる症状があるときは、当院にご相談ください。
治療中の飲酒・喫煙について
除菌薬の服用期間中は、飲酒を控えてください。
特に二次除菌で使用するメトロニダゾールは、アルコールとの併用で腹痛、吐き気、顔のほてりなどを起こすことがあるため、服用中は飲酒しないでください。飲酒を再開する時期についても、医師・薬剤師の指示に従ってください。
喫煙は除菌の成功率に影響する可能性があるため、除菌薬の服用期間中は禁煙をおすすめします。
治療中の食事について
除菌治療中も、基本的には普段どおりの食事で構いません。
胃痛や胸やけ、下痢などがある場合は、ご自身の症状を悪化させる食べ物・飲み物を控え、体調に合わせて食事の内容や量を調整してください。
早めの相談・受診が必要な症状
強い腹痛、頻回の下痢、血便、発疹がみられた場合は、服用を中止して速やかにご連絡ください。治療終了後に強い下痢や血便が出た場合も、受診してください。
まれに、重いアレルギー反応が起こることがあります。息苦しさ、顔や唇の腫れ、意識が遠のくような症状が出た場合は、服用を中止し、速やかに救急受診してください。
除菌後は、成功したかどうかの確認が必要です
除菌薬を飲み終えた後は、ピロリ菌がいなくなったかどうかを調べる「除菌判定」を行います。
薬を指示どおり服用しても、必ず除菌に成功するとは限りません。症状の有無や改善だけでは判断できないため、治療後の検査まで受けることが大切です。
除菌判定はいつ行いますか?
当院では、除菌薬を飲み終えてから6週間以降を目安に検査を行います。治療直後は正確に判定できないことがあるため、一定の期間をあける必要があります。
どのような検査で確認しますか?
尿素呼気試験または便中ピロリ菌抗原検査で確認します。服用中のお薬などを考慮して、適した検査方法をご案内します。
血液の抗体検査は、除菌に成功した後も陽性が続くことがあるため、治療直後の除菌判定には適していません。
胃酸を抑える薬や抗菌薬などを服用している場合は、検査結果に影響することがあります。自己判断で中止せず、検査前に服用中のお薬をお知らせください。
除菌成功後の経過観察について
ピロリ菌の除菌に成功しても、胃がんのリスクが完全になくなるわけではありません。特に萎縮性胃炎がある方では、除菌後も胃の状態に応じた経過観察が大切です。
当院では、胃カメラの所見や年齢、これまでの病歴などを踏まえて、一人ひとりに適した検査間隔をご案内します。
よくある質問
胃カメラを受けずにピロリ菌を調べることはできますか?
ピロリ菌の感染自体は、尿素呼気試験や便中抗原検査などでも調べられます。ただし、ピロリ菌感染胃炎に対して保険診療で検査・除菌治療を行う場合は、胃カメラで胃炎を確認する必要があります。
当院では、胃の状態や病変の有無も確認するため、基本的に胃カメラをおすすめしています。他院で受けた胃カメラの結果をお持ちの方は、ご持参ください。
胃薬を飲んでいても検査できますか?
お薬の種類と検査方法によって異なります。尿素呼気試験では休薬が必要になる場合がありますが、便中抗原検査はPPIを服用中でも検査できる場合があります。
服用中のお薬を確認して検査方法をご案内しますので、お薬手帳をご持参ください。自己判断で薬を中止しないようにしてください。
以前除菌しましたが、健診の血液検査で陽性と言われました。再治療が必要ですか?
除菌に成功した後も抗体が残り、血液検査で陽性になることがあります。陽性という結果だけで、再び感染した、あるいは除菌に失敗したとは判断できません。
過去の除菌判定の結果を確認し、必要に応じて尿素呼気試験や便中抗原検査などで現在の感染の有無を調べます。
除菌薬を飲み終えて、症状もありません。除菌判定は必要ですか?
はい。症状がなくても、除菌に成功したかどうかは検査で確認する必要があります。当院では、除菌薬を飲み終えてから6週間以降を目安に除菌判定をご案内しています。
他院で検査や除菌治療を受けましたが、こちらで相談できますか?
はい、ご相談いただけます。お持ちであれば、ピロリ菌検査や胃カメラの結果、使用した除菌薬、治療時期、除菌判定の結果が分かる資料をご持参ください。これまでの検査・治療内容を確認し、今後の対応をご案内します。
ピロリ菌の検査・除菌治療では、これまでの検査歴や治療歴、胃の状態に合わせた対応が大切です。
また、除菌薬を飲み終えた後は、除菌に成功したかどうかを検査で確認する必要があります。
当院では、消化器病専門医・消化器内視鏡専門医が、ピロリ菌検査から除菌治療、除菌判定まで対応しています。胃カメラは女性医師が担当し、ご希望に応じて鎮静剤を使用した検査も行っています。
健診でピロリ菌陽性を指摘された方や、検査・除菌治療について相談したい方は、お気軽にご相談ください。
