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ALP高値
ALP(アルカリホスファターゼ)は、肝臓・胆管、骨、小腸、胎盤などで作られる酵素です。
肝臓では胆汁の流れに関係し、骨では骨を作る細胞(骨芽細胞)から分泌されています。
健康診断で「ALPが高い」と言われ、不安になっていませんか?
健康診断で「ALP(アルカリホスファターゼ)が高いので、一度精密検査を受けてください。」と言われ、不安になっている方も多いのではないでしょうか。
「肝臓が悪いのでしょうか?」
「お酒はあまり飲まないのになぜでしょうか?」
「何か重大な病気が隠れているのでしょうか?」
このようなご質問を外来でもよくいただきます。
しかし、ALPが高いからといって、すぐに肝臓の病気とは限りません。
ALPは肝臓だけでなく、骨や胎盤、小腸などにも存在する酵素で、成長期や妊娠など病気ではない理由で高くなることもあります。
一方で、原発性胆汁性胆管炎(PBC)など早期診断が重要な病気が隠れていることもあります。
大切なのは、「ALPが高い」という結果ではなく、「なぜALPが高くなっているのか」を調べることです。
ALPとは
ALP(アルカリホスファターゼ)は、肝臓・胆管、骨、小腸、胎盤などで作られる酵素です。
肝臓では胆汁の流れに関係し、骨では骨を作る細胞(骨芽細胞)から分泌されています。
そのため、ALPは肝臓だけに特異的な検査ではありません。
「ALPが高い=肝臓病」ではなく、
どこの臓器からALPが高くなっているのかを見極めることが診断の第一歩になります。

ALPの基準値について
日本では2020年からALPの測定法が従来のJSCC法からIFCC法へ変更されています。現在のIFCC法では、基準範囲は一般的に38~113 U/Lで、従来のJSCC法と比べて測定値がおよそ3分の1になります。
過去の健診結果と比較する場合には、測定法や基準範囲が異なることがあるため注意が必要です。
ALPが高くなる原因
| 原因 | 代表的な病気・状態 |
|---|---|
| 病気ではない生理的な変化 | 成長期、妊娠、血液型(B型・O型では食後に小腸由来ALPが上昇することがあります) |
| 肝臓・胆道の病気 | 原発性胆汁性胆管炎(PBC)、胆石症、胆管炎、原発性硬化性胆管炎(PSC)、薬剤性肝障害など |
| 骨の病気 | 骨折、副甲状腺機能亢進症、骨代謝異常、Paget病など |
このように、ALPが高くなる原因は一つではありません。
また、一般健診受診者において「ALP高値の○%が肝臓の病気」といった信頼できるデータは十分にありません。
そのため、専門医は原因を決めつけるのではなく、検査結果や症状を総合的に評価しながら原因を一つずつ絞り込んでいきます。
専門医はALP高値をどのように考えるのでしょうか
最もお伝えしたいポイントです。
患者さんから「ALPが高いと言われました。何の病気でしょうか?」と聞かれることがあります。
しかし、ALPだけでは病気を診断することはできません。
私たちはまず、「ALPがどこの臓器から高くなっているのか」を考えます。
そのために最初に確認する検査の一つがγ-GTPです。

考えられる病気
γ-GTPも高い場合には、ALPは肝臓や胆道由来である可能性が高くなります。
代表的な病気
- 原発性胆汁性胆管炎(PBC)
- 原発性硬化性胆管炎(PSC)
- 胆石症
- 胆管炎
- 薬剤性肝障害
これらの病気が疑われる場合には、腹部超音波検査や必要な血液検査を行い、原因を詳しく調べます。
γ-GTPが正常ならALPアイソザイムが重要
γ-GTPが正常でALPだけが高い場合には、必ずしも肝臓が原因とは限りません。
当院では、このような場合にはALPアイソザイムを測定し、ALPが肝臓由来なのか骨由来なのかを確認しています。
骨由来が疑われる場合の追加検査
- カルシウム
- リン
- 副甲状腺ホルモン(PTH)
- 必要に応じてビタミンD
実際の診療では、健診をきっかけに副甲状腺機能亢進症などの骨代謝異常が見つかることもあります。
当院で行う検査
ALP高値の原因を調べるためには、血液検査や腹部超音波検査などを組み合わせて評価することが大切です。
当院では、必要に応じて次のような検査を行います。
- 血液検査(AST・ALT・γ-GTP・ALPアイソザイム・自己抗体など)
- 腹部超音波検査
- 骨代謝異常が疑われる場合は、カルシウム・リン・副甲状腺ホルモン(PTH)など
- 慢性肝疾患が疑われる場合は、FibroScanによる肝線維化の評価
- さらに詳しい画像検査が必要な場合は、連携医療機関でCT・MRIなどを実施
検査結果や症状に応じて必要な検査を選択し、ALP高値の原因を総合的に判断します。

健診でALPが高いと言われたら放置してもよいのでしょうか?
ALPが軽度高いからといって、すぐに重い病気というわけではありません。
一方で、
- PBC
- 胆道疾患
- 骨代謝異常
- 副甲状腺疾患
など、治療や経過観察が必要な病気が見つかることもあります。
健診でALP高値を指摘された場合には、一度原因を確認することをおすすめします。
健診でALP高値を指摘されたら何科を受診すればよいですか?
ALPは肝臓だけでなく骨の病気でも高くなるため、「何科を受診すればよいのだろう」と迷われる方も少なくありません。
AST・ALT・γ-GTPなど肝機能異常を伴う場合や、原因がはっきりしない場合には、まず消化器内科で評価を受けることをおすすめします。
診察や検査の結果、骨や副甲状腺の病気が疑われる場合には、適切な診療科をご紹介します。
健診で「ALPが高い」と言われると、多くの方が「肝臓が悪いのではないか」と心配されます。
しかし実際には、ALPは肝臓だけでなく骨などさまざまな臓器が関係する検査です。大切なのは、「ALPが高い」という結果だけを見るのではなく、その原因を一つずつ確認していくことです。
当院では、必要な検査を組み合わせながら原因を分かりやすくご説明し、一人ひとりに合わせた診療を行っています。健診でALP高値を指摘された方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
ALPが少し高いだけでも受診した方がよいですか?
軽度の上昇でも、一度は原因を確認することをおすすめします。
ALPは肝臓だけでなく骨や胎盤、小腸などからも分泌されるため、軽度の上昇だけで重い病気とは限りません。
一方で、原発性胆汁性胆管炎(PBC)や副甲状腺機能亢進症など、初期には自覚症状がほとんどない病気が見つかることもあります。
健診で初めてALP高値を指摘された場合には、一度原因を確認することをおすすめします。
ALPが高いと肝臓の病気なのでしょうか?
必ずしも肝臓の病気とは限りません。
ALPは肝臓だけでなく、骨、小腸、胎盤などにも存在する酵素です。
そのため、
- 肝臓・胆道の病気
- 骨の病気
- 妊娠
- 成長期
など、さまざまな原因で高くなります。
まずは「どこの臓器からALPが高くなっているのか」を調べることが大切です。
γ-GTPが正常なら肝臓の病気ではないのでしょうか?
γ-GTPが正常でも、肝臓・胆道の病気が完全に否定できるわけではありません。
γ-GTPはALPが肝胆道由来かどうかを考えるうえで参考になる検査ですが、γ-GTPだけで診断することはできません。
当院では、γ-GTPが正常でALPのみ高い場合には、ALPアイソザイムを測定し、肝臓由来なのか骨由来なのかを確認しています。
必要に応じて自己抗体や腹部超音波検査なども組み合わせて診断を進めます。
ALPアイソザイムとは何ですか?
ALPがどこの臓器から高くなっているのかを調べる検査です。
ALPは肝臓だけでなく骨など複数の臓器で作られています。
ALPアイソザイムを測定することで、ALPが主に肝臓由来なのか、骨由来なのかを推測できます。
特にγ-GTPが正常でALPだけが高い場合には、診断に役立つことがあります。
ALPが高いとがんの可能性がありますか?
ALPが高いだけで、がんとは判断できません。
ALPは胆道閉塞や肝臓・骨への転移などで上昇することがありますが、それ以外にも胆石、PBC、副甲状腺疾患、骨折、妊娠など多くの原因があります。
ALP高値だけでがんを心配する必要はありませんが、原因がはっきりしない場合には適切な検査を受けることが大切です。
自覚症状がなくても受診した方がよいですか?
はい、自覚症状がなくても受診をおすすめします。
ALP高値の原因となる病気の中には、初期にはほとんど症状がないものがあります。
例えば原発性胆汁性胆管炎(PBC)は、健診で初めて見つかることも少なくありません。
症状がないからといって放置せず、一度原因を確認することをおすすめします。
ALPだけ高くても精密検査は必要ですか?
状況によっては必要です。
ALPだけが高く、ほかの肝機能検査が正常でも、原因を調べた方がよい場合があります。 当院では採血結果や症状を総合的に判断し、必要に応じてALPアイソザイムや腹部超音波検査などを追加して原因を確認しています。すべての方に同じ検査を行うわけではなく、必要な検査を選択しています。
ALPが高いと言われたら何科を受診すればよいですか?
まずは消化器内科で相談することをおすすめします。
ALPは肝臓だけでなく骨の病気でも高くなるため、受診する診療科に迷われる方も少なくありません。
AST・ALT・γ-GTPなど肝機能異常を伴う場合や、原因がはっきりしない場合には、まず消化器内科で評価を受けるとよいでしょう。
診察や検査の結果、骨や副甲状腺の病気が疑われる場合には、適切な診療科をご紹介します。
健診では「再検査」とだけ書かれていました。すぐに受診した方がよいですか?
ALP高値の多くは緊急性の高い状態ではありません。しかし、早期診断・治療が大切な病気が隠れていることもあります。
特に初めてALP高値を指摘された場合や、以前より数値が上昇している場合には、放置せず原因を確認することをおすすめします。
