肝臓専門外来

C型肝炎

C型肝炎は、C型肝炎ウイルス(HCV)の感染によって起こる肝臓の病気です。

C型肝炎とは

現在では飲み薬だけで治療できるようになり、多くの方でウイルスを体内から排除(治癒)が期待できる時代になりました。

一方で、自覚症状がほとんどないまま慢性肝炎や肝硬変、肝がんへ進行することがあるため、早期に見つけて適切な治療を受けることが大切です。

健診で肝機能異常を指摘された方や、これまで一度もC型肝炎の検査を受けたことがない方は、一度検査を受けることをおすすめします。

C型肝炎の主な症状

慢性肝炎の段階ではほとんど自覚症状がありません。

「疲れやすい」「体がだるい」「食欲がない」といった症状が現れることもありますが、これらはC型肝炎に特有の症状ではなく、全く症状がないまま経過する方も少なくありません。

そのため、健診や採血をきっかけに初めてC型肝炎が見つかることもあります。

一方で、長い年月をかけて肝硬変へ進行すると、下記のような症状が現れます。

  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)
  • 腹水(お腹に水がたまる)
  • むくみ
  • 肝性脳症(意識障害)
  • 体重減少

症状が出てからでは病気が進行していることもあるため、自覚症状がなくても検査を受けることが大切です。

C型肝炎の原因

C型肝炎ウイルス(HCV)は、感染している人の血液を介して感染します。

現在の日本では、医療機関で使用する器具はすべて適切に管理されており、日常生活で感染することはほとんどありません。

一方で、過去には輸血や血液製剤、医療行為などが感染の原因となった時代があり、その頃に感染したまま自覚症状がない方が現在になって見つかることもあります。

また、不衛生な器具を用いた刺青(タトゥー)やピアス、注射器の共用などによって感染することがあります。性交渉や母子感染による感染はまれですが、可能性はゼロではありません。

現在、C型肝炎を予防するワクチンはありません。そのため、他人の血液に触れないことや、衛生管理が十分でない器具を使用しないことが感染予防につながります。

どのくらい多い病気ですか?

C型肝炎は以前は日本に多い感染症の一つでしたが、近年は飲み薬による治療(DAA)の普及により、治療を受ける方が増え、感染者数は減少しています。

しかし現在でも、一度も検査を受けたことがない方や、以前に陽性と指摘されたものの治療を受けていない方が少なくありません。

C型肝炎は自覚症状がほとんどないまま進行することがあるため、早期発見・早期治療が重要です。

C型肝炎の検査

C型肝炎は、血液検査を中心に診断し、必要に応じて肝臓の状態を詳しく調べます。

HCV抗体検査

まず行うのがHCV抗体検査です。

HCV抗体検査は、C型肝炎ウイルスに感染したことがある可能性があるかどうかを調べる検査です。

HCV抗体が陽性であっても、

  • 現在もウイルスに感染している方
  • 過去に感染したものの自然にウイルスが排除された方
  • 治療によって治癒した方
  • まれに偽陽性の方

が含まれます。

そのため、HCV抗体陽性だけで現在C型肝炎に感染しているかどうかを判断することはできません。

健診などでHCV抗体陽性と指摘されると不安になる方も少なくありませんが、現在感染しているかどうかは、次に行うHCV-RNA検査で確認します。

HCV-RNA検査

HCV抗体が陽性の場合は、HCV-RNA検査を行います。

この検査でウイルスが検出されれば、現在もC型肝炎ウイルスが体内に存在していることが分かります。

また、必要に応じてウイルスの型(ジェノタイプ)を調べ、治療薬の選択に役立てます。

肝臓の線維化評価

C型肝炎では、肝臓がどの程度硬くなっているか(線維化の程度)を評価することが重要です。

血液検査ではFIB-4 indexやM2BPGiなどを参考に線維化の程度を推定します。

さらに、当院ではFibroScan(フィブロスキャン)を用いて、肝臓の硬さ(肝硬度)を直接測定し、より詳しく評価することができます。

これらの検査を組み合わせることで、肝炎の進行度をより正確に評価し、治療方針の決定や治療後の経過観察に役立てています。

腹部超音波(エコー)検査

腹部超音波検査では、肝臓の形態や肝硬変の所見、肝がんの有無などを確認します。

必要に応じてCTやMRIなどの画像検査を追加し、より詳しく評価します。

C型肝炎の治療

飲み薬だけで高い治療効果が期待できます

C型肝炎は現在では飲み薬で治療できる病気です。

C型肝炎の治療の目的は、C型肝炎ウイルス(HCV)を体内から排除することです。

以前はインターフェロン注射による治療が中心でしたが、副作用が多く、治療が難しい患者さんも少なくありませんでした。

現在では、直接作用型抗ウイルス薬(DAA)と呼ばれる飲み薬による治療が標準となっています。

DAAによる治療では、8〜12週間程度の内服で、多くの方がウイルスを体内から排除(SVR:持続的ウイルス陰性化)できます。

慢性肝炎や代償性肝硬変では95%以上、非代償性肝硬変でも約90%の方で治癒が期待できます。

薬剤は、ウイルスの型(ジェノタイプ)、肝臓の状態、過去の治療歴などを考慮して選択します。

ウイルスを排除することが大切です

C型肝炎では、ウイルスを体内から排除することで、

  • 肝臓が硬くなる進行(線維化)の抑制
  • 肝硬変への進行リスクの低下
  • 肝がんの発生リスクの低下

が期待できます。

そのため、C型肝炎と診断された場合には、症状がなくてもできるだけ早期に治療を受けることが大切です。

治療後も定期的な経過観察が重要です

C型肝炎ウイルスが体内から排除されても、肝臓の状態が完全に元に戻るわけではありません。

特に、治療前に線維化が進行していた方や肝硬変の方では、治療後も肝がんが発生する可能性があります。

そのため、治療後も腹部超音波検査や血液検査などを定期的に行い、肝臓の状態を確認していくことが大切です。

当院での診療について

当院では、肝臓専門医として

  • C型肝炎の診断
  • FibroScanによる線維化評価
  • 治療適応の判断
  • 治療後の長期フォローアップ

まで一貫して行っています。気軽にご相談ください。

治療費の助成制度について

C型肝炎の治療では、肝炎治療特別促進事業による医療費助成制度を利用できる場合があります。

助成制度を利用することで、自己負担額を抑えて治療を受けられることが多く、経済的な負担を軽減できます。

対象となる条件や自己負担額は、お住まいの自治体や病状などによって異なります。

当院では、治療内容だけでなく、医療費助成制度についてもご案内しています。ご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

よくある質問

C型肝炎は治りますか?

現在では、飲み薬(DAA)による治療で95%以上の方がウイルスを体内から排除できるようになりました。早期に治療を受けることで、肝硬変や肝がんへの進行リスクを低下させることが期待できます。

C型肝炎は人にうつりますか?

C型肝炎は感染した人の血液を介して感染します。日常生活で感染することはほとんどありません。食事や会話、握手、入浴などで感染することはありません。

 HCV抗体陽性と言われました。現在も感染していますか?

HCV抗体陽性だけでは現在感染しているとは判断できません。過去に感染して自然にウイルスが排除された方や、治療後の方、まれに偽陽性の方も含まれます。現在感染しているかどうかはHCV-RNA検査で確認します。

症状がなくても治療は必要ですか?

はい。C型肝炎は症状がなくても肝臓の炎症や線維化が進行することがあります。症状がないうちに治療を受けることが、肝硬変や肝がんの予防につながります。

 治療が終われば通院は不要ですか?

ウイルスが排除されても、治療前に線維化が進行していた方では肝がんが発生する可能性があります。治療後も定期的な経過観察が重要です。

家族も検査を受けた方がよいですか?

日常生活で家族へ感染することはほとんどありません。ただし、ご本人が感染していることが分かった場合や、ご家族が感染を心配されている場合には、一度医療機関で相談することをおすすめします。


C型肝炎は、以前は治療が難しい病気と考えられていましたが、現在では飲み薬による治療で多くの方が治癒を期待できる時代となりました。一方で、自覚症状がほとんどないまま肝硬変や肝がんへ進行することがあるため、早期発見・早期治療が重要です。

健診などでHCV抗体陽性を指摘された場合は、現在も感染しているかどうかを確認するためにHCV-RNA検査を受けましょう。また、ウイルスが排除された後も定期的な経過観察が重要です。

当院院長は、大学病院勤務時代よりC型肝炎の診療・研究に携わり、論文発表や学会発表を行うとともに、多くの患者さんの診療を担当してきました。その経験を生かし、現在もC型肝炎の診断から治療後の経過観察まで一貫して診療を行っています。

気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。


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