大腸憩室
大腸憩室ってどんな病気?
大腸憩室とは、大腸の壁の一部が外側に袋状に飛び出した状態を指します。加齢や腸管内圧の上昇などにより、大腸の弱い部分から粘膜が押し出されることで形成されます。
大腸憩室そのものは病気というより「構造の変化」であり、憩室があるだけでは症状のない方が大多数です。しかし、炎症や出血などの合併症を起こすと治療が必要になります。
大腸憩室は、年齢とともに増加します。40歳代から増え始め、50歳代では30%、80歳代では60%以上と報告されています。
日本では右側結腸(盲腸〜上行結腸)に多い傾向があります食生活の欧米化や高齢化に伴い、年々増加しています。
大腸憩室の症状は?
憩室があるだけでは、通常は症状はありません。
しかし、次のようなトラブルを引き起こす事があります。
憩室炎
憩室に炎症が起こった状態です。
腹痛、発熱、圧痛(腹痛のある部分を押すと痛みが増す)、吐き気、食欲不振などの症状が出ます。
憩室出血
憩室の血管が破れて出血する状態です。
突然の、痛みを伴わない血便で、便器が真っ赤になるほど出血であることも多くみられます。
これらの症状が出た場合は、早急な受診が必要です。
なぜ憩室ができるのか
憩室の形成には、以下の要因が関与すると考えられています。
- 加齢による腸壁の脆弱化、便秘やいきみによる腸管内圧の上昇。食物繊維の不足 など
大腸憩室の診断は?
大腸憩室は、
大腸内視鏡検査やCT検査で診断されます。
無症状の場合は、健診や他疾患の検査で偶然見つかる事がほとんどですが、腹痛の原因検索として行ったCT検査で憩室炎が指摘される場合などがあります。
大腸憩室の治療は?
治療は、症状の有無や合併症の有無によって異なります。
無症状の場合は特別な治療は不要です。便秘であればその解消を心掛けます。
憩室炎の場合
軽症であれば外来での抗菌薬治療で改善します。重症であれば入院治療が必要となり、穿孔(大腸の壁が破れている)をきたしている時などには緊急手術を要する事もあります。
憩室出血の場合
少量の出血であれば外来での経過観察も可能ですが、多量の出血をきたし、入院を要する場合も多くあります。
入院後は食事制限と安静で自然に止まる事も多いですが、内視鏡による止血が必要になる例もあります。
日常生活で気をつけること
無症状の大腸憩室を指摘されているだけでは特別な配慮は不要です。
ただし、次のような症状がある場合は、早めに受診してください。
- 発熱を伴う腹痛があり、だんだんと痛みが強くなる
- 突然の大量の血便
早期の対応により、重症化を防ぐことができます。
まとめ
大腸憩室は多くの方に見られる一般的な所見ですが、憩室炎や憩室出血といった合併症には注意が必要です。症状が出た場合には早めに医療機関を受診することが大切です。
ご不安な点があれば、お気軽に当院にご相談ください。