大腸がん
大腸がんってどんな病気?
大腸がんとは、大腸(結腸・直腸)にできるがんです。多くは大腸の粘膜から発生し、徐々に大きくなりながら腸の壁の深い部分へ進行しやがて他臓器に転移をきたします。
大腸がんの多くはポリープが時間をかけてがん化することで発生すると考えられています。そのため、ポリープの段階で発見・切除することで予防が可能ながんでもあります。
疫学(どのくらい多い病気か)
大腸がんは近年患者数が増加した癌種で、2023年の最新の統計では男女合わせて罹患数が1位となっています(男性では前立腺がんが1位、大腸がんは2位。女性では乳がんが1位、大腸がんは2位)。特に40歳以降で増加し、他の多くのがん種と同様に高齢になるほどリスクが上昇します。
主な原因・リスク因子
大腸がんの発症には生活習慣が関与しているとされ、脂肪分の多い食事や、加工肉の過剰摂取、食物繊維不足、運動不足、肥満、喫煙、飲酒がリスクとなります。ただしそれらのリスク要因がなくても、家族に大腸がんの方がいる、大腸ポリープの既往がある方は大腸がんのリスクが高く、生活習慣のみならず遺伝的、体質的要素も関与しています。また、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎など)により大腸に長期間炎症が存在すると大腸がん発生の素地となります。
主な症状
早期の大腸がんには、ほとんど症状がありません。進行すると、血便(便に血が混じる) 、便秘や下痢を繰り返す、便が細くなる、残便感、腹痛、体重減少、貧血などの症状が見られ、これらは大きくなった腫瘍が大腸の通過を妨げたり、腫瘍から出血をきたすことによって生じます。
ただし、これらの症状が出た時点では進行していることもあるため、症状がなくても検査を受けることが重要です。
診断について
大腸内視鏡検査(大腸カメラ)
最も重要な検査です。大腸の粘膜を直接観察し、ポリープやがんを発見した場合その場で切除や組織検査が可能です。早期発見・治療の両方が可能な検査です。大腸ポリープには、
- 現在は良性だが将来的にがん化する可能性のあるポリープ
- 既にがん化しているポリープ
- 放置してもがん化する心配のないポリープ
が含まれており、内視鏡検査ではポリープの表目の模様や構造を観察することによりこれらを区別します。それにより、内視鏡で切除できるのか、外科切除を検討するのかを判断します。
その他の検査
CT検査や注腸検査、CTコロノグラフィーなどを必要に応じて行います。
治療について
治療は進行度によって異なります。
① 内視鏡治療
内視鏡で切除可能ながんは、内視鏡的粘膜切除術(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、コールドスネアポリペクトミー(CSP)などの方法で切除します。「内視鏡で切除が可能」かどうかは、単に大きさのみでは判断できず、大腸のどのくらいの深さまでがんが及んでいると予想されるかで判断します。
② 手術
がんが進行している場合、つまり内視鏡では切除できない大きさや壁深達度である場合、周囲のリンパ節へ転移している場合などは、大腸の一部を切除する手術が行われます。胃がんや膵臓がんなどの場合は、肝臓や肺など他の臓器に転移がある場合手術は行われませんが、大腸癌は遠隔転移があっても、転移巣を含め外科手術で切除する場合があります。
③ 薬物療法
多数の遠隔転移がある場合などには薬物療法(化学療法)が行われます。手術治療と組み合わせて行われる事もあります。
検診・検査
40歳を過ぎたら便潜血検査および、定期的な大腸内視鏡検査を受けることが重要です。
特に、大腸がんや大腸ポリープの家族歴のある方は積極的な検査が勧められます。便潜血検査で陽性であった場合、それが2回のうち1回の陽性でも、放置せず大腸内視鏡検査を受けましょう。
受診の目安
- 血便がある
- 便秘や下痢、その両方などの便通異常がある
- 便潜血検査で陽性になった
- 大腸カメラを受けたことがない
以上のような方は受診が勧められます。
まとめ
大腸がんは近年増加しており、日本人の罹患するがんで現在最も多いものです。初期は無症状であり、何らかの症状をきたした時点で既に早期がんではない可能性が高いと考えられます。一方で
大腸内視鏡により小さなポリープのうちに切除すれば予防、治療が可能です。症状がなくても、定期的な検査が将来の安心につながります。
気になる症状や検査のご希望があれば、お気軽にご相談ください。