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食道がん

食道がんってどんな病気?

食道がんとは、口から胃へ食べ物を運ぶ筒状の臓器、「食道」にできるがんです。食道の内側の粘膜から発生し、進行すると周囲の組織へ浸潤したり、リンパ節や他の臓器に転移したりしながら広がっていきます。胃や大腸などの他の消化管のがんに比べ、比較的早い段階からリンパ節転移をきたす可能性がありますが、一方で、早期に発見できれば内視鏡治療で治癒が期待できます。

疫学

食道がんは、女性に比べ男性に多く、特に50歳以上で増加します。主な原因、リスク因子として、飲酒、喫煙が挙げられます。飲酒は特に、元々アルコールを摂取すると顔が赤くなる体質の方にリスクが高いことが分かっています。習慣的な飲酒、喫煙が重なるとリスクはさらに高くなります。また、熱い飲食物の習慣的な摂取、果物や野菜を摂取しないことによるビタミンの欠乏、逆流性食道炎などが原因とされています。元々の体質や遺伝的素因などよりも、生活習慣の影響が大きいがんと言えるでしょう。
飲酒

食道がんの症状は?

食道がんは、初期にはほとんど症状がありません。進行すると、食べ物がつかえる感じや飲み込みにくさ(嚥下障害)、胸の違和感やしみる感じ、体重減少、声のかすれなどが生じます。症状が出た時には進行していることもあるため、無症状の段階での発見が重要です。

早期発見の重要性

食道がんは、早期の発見の場合は内視鏡治療で完治が期待できますが、一方で進行すると外科手術や化学療法、放射線療法が必要となり治療後の再発のリスクも高まるため、予後が低下します。つまり、症状が無い段階で内視鏡により発見し、早期に治療することが極めて重要です。

食道がんの診断は?

内視鏡検査

最も重要な検査です。食道を直接観察し、わずかな凹凸や色調変化を拾い上げます。近年はNBI(Narrow Band Imaging:狭帯域光観察)などの、内視鏡検査における画像強調観察技術が発達し、以前よりもより早期の食道がんが発見できるようになりました。

また、ヨード液などを食道に散布したり、必要な個所を組織検査(生検)して診断します。ただし食道がんにおける組織検査は、組織のサンプルがわずかしか採取できないために難しく、組織検査の結果でがんという確定診断が得られなくても油断はできません。

そのため、組織検査ではがんという結果でなくても、内視鏡検査で疑わしければ、より詳細な観察のために高度な専門機関に紹介したり、期間をあけて再検査を勧める場合があります。

<内視鏡検査 詳しく

内視鏡検査

その他の検査

CT検査でがんの広がりを確認したり、超音波内視鏡(EUS)でがんの深達度(食道の壁のどの深さまで及んでいるか)を評価します。

食道がんの治療は?

治療は、がんの進行度によって異なります。
  1. 内視鏡治療(早期がん)
    早期に発見できたがんの場合は、内視鏡的粘膜切除(EMR)、内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)などの内視鏡治療を行います。体への負担が少ない治療です。
  2. 手術
    内視鏡での切除が難しい進行度のがんに対して行われます。食道を手術で切除し、胃や腸を用いて消化管を再建します。
  3. 薬物療法・放射線治療
    手術を希望しない患者さんの場合や、他臓器への転移がある場合、周囲臓器(心臓や血管など)に浸潤しており手術ができない場合には、薬物療法や放射線療法、またはその両方を組み合わせて治療を行うことがあります。

予防について

食道がんの予防には、生活習慣の見直しが重要です。禁煙、節酒(または禁酒)、バランスのよい食事、定期的な内視鏡検査が勧められます。特に飲酒、喫煙歴がありリスクの高い方は、定期的な検査をおすすめします。

まとめ

食道がんは、早期発見で治癒が期待できるがんですが、早期には特に症状はありません。飲酒、喫煙歴が濃厚にある方、特にもともと酒を飲むと顔が赤くなる体質の方で習慣的に飲酒している方は要注意です。

また、口腔や咽頭喉頭などの「口から喉のがん」も、食道がんとリスク因子が同じため、食道がんと合併しやすいことが知られています。本来は耳鼻科の領域のがんですが、食道がんと同じ技術で発見できるため、内視鏡検査で偶然指摘されることも多くなっています。のどは食物の嚥下、発声など人間の基本的な機能にとって極めて重要であり、その部分のがんを手術して切除するとそれらの機能に影響する可能性がありQOL(Quality of life)に関わります。一方で咽頭がんや喉頭がんも早期に発見できれば、体への影響を少なく治療することができます。

 飲酒、喫煙習慣があり、今まで内視鏡検査を受けたことがない方、胸の違和感や飲み込みづらさを感じる方などは、是非当院へご相談ください。 
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