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B型肝炎

B型肝炎ってどんな病気?

B型肝炎は、B型肝炎ウイルス(HBV)によって肝臓に炎症が起こる病気です。感染していても自覚症状がほとんどないまま経過することがあり、気づかないうちに慢性肝炎、肝硬変、肝がんへ進行する場合があります。一方で、適切な検査と定期的な経過観察、必要に応じた治療により、病気の進行を抑えることができます。


B型肝炎とは

B型肝炎ウイルスは、血液や体液を介して感染します。感染後に一時的な肝炎で終わることもありますが、ウイルスが体内に残り、長期間にわたって肝臓に炎症を起こす「慢性B型肝炎」となることがあります。慢性化した場合でも、すぐに症状が出るとは限らないため、血液検査や画像検査で状態を確認することが大切です。


一過性感染・持続感染・キャリアとは

B型肝炎では、「一過性感染」「持続感染」「キャリア」といった言葉が使われます。専門用語に聞こえますが、簡単にいうと、ウイルスが一時的に体に入って自然に排除されるか、長く体内に残るか、という違いです。

 一過性感染:B型肝炎ウイルスに感染しても、多くの場合は体の免疫がウイルスが排除され、一定期間のあとに治まる状態です。急性肝炎として症状が出ることもありますが、症状が軽い、または気づかないまま経過することもあります。

持続感染:ウイルスが体内に長く残っている状態です。特に乳幼児期に感染した場合は持続感染になりやすく、長い年月の中で慢性肝炎、肝硬変、肝がんのリスクにつながることがあります。

キャリア:B型肝炎ウイルスを体内に持っている状態を指す言葉です。肝機能が安定していて症状がない「無症候性キャリア」の時期もありますが、将来的に肝炎が活動的になることがあるため、定期的な検査が必要です。

「キャリア」と言われた場合でも、すぐに治療が必要とは限りません。ただし、症状がないことと、肝臓に負担がないことは同じではありません。血液検査、腹部超音波検査、フィブロスキャンなどで肝臓の状態を確認し、必要なタイミングで治療や肝がんサーベイランスにつなげることが大切です。  


主な感染経路

· 母子感染(出産時に母親から赤ちゃんへ感染する場合)

· 血液を介した感染(注射器の共有、十分に管理されていない医療行為など)

· 性的接触による感染

· 家族内やパートナー間での血液・体液への接触

現在は母子感染予防やワクチン接種の体制が整っていますが、過去に感染したまま気づかずに過ごしている方もいます。これまで一度も肝炎ウイルス検査を受けたことがない方は、検査を受けることをおすすめします。  



B型肝炎でみられる症状

B型肝炎は、初期には症状がないことも少なくありません。急性肝炎では、だるさ、食欲不振、吐き気、発熱、黄疸、尿の色が濃くなるなどの症状が出ることがあります。慢性B型肝炎では、症状が乏しいまま肝臓の線維化が進むことがあるため、症状の有無だけで判断しないことが重要です。


当院で行う検査

B型肝炎の診療では、ウイルスの状態、肝臓の炎症の程度、肝臓の硬さ、肝がんの有無を総合的に評価します。当院では、肝臓専門医が患者さんの検査結果や生活背景を確認し、今後の治療方針や通院間隔を一緒に検討します。

血液検査:肝機能、HBs抗原、HBe抗原・抗体、HBV-DNA量などを確認します。

腹部超音波検査:肝臓の形、脂肪肝の有無、肝腫瘍の有無などを確認します。

腫瘍マーカー:肝がんの早期発見を目的に、必要に応じて測定します。

フィブロスキャン:肝臓の硬さや脂肪量を、体への負担が少ない方法で評価します。


フィブロスキャンでわかること

フィブロスキャンは、肝臓の硬さを測定する検査です。肝臓の線維化が進むと肝臓は硬くなり、肝硬変や肝がんのリスク評価に役立ちます。検査は短時間で行うことができ、通常は痛みを伴いません。B型肝炎では、血液検査だけではわかりにくい肝臓の状態を把握するために、フィブロスキャンを組み合わせて評価することが有用です。

▷フィブロスキャン検査について 


B型肝炎の再活性化に注意が必要な場合

B型肝炎ウイルスは、過去に感染して治ったように見える方でも、体内にごく少量残っていることがあります。
抗がん剤、免疫抑制薬、生物学的製剤、ステロイド治療、移植医療などで免疫の働きが変化すると、ウイルスが再び増え、肝炎を起こすことがあります。これを「B型肝炎再活性化」といいます。

B型肝炎再活性化は、現在HBs抗原が陽性の方だけでなく、過去に感染したことを示すHBc抗体やHBs抗体が陽性の方にも起こることがあります。重症化すると治療中の病気の治療を中断せざるを得ない場合や、まれに重い肝炎につながることがあるため、治療前のスクリーニングと治療中・治療後の定期的なHBV-DNA測定が重要です。免疫を抑える治療や抗がん剤治療を予定している方は、事前に肝臓専門医へご相談ください。  



治療と経過観察について

B型肝炎の治療方針は、ウイルス量、肝機能、肝臓の線維化の程度、年齢、合併症、肝がんのリスクなどを踏まえて決定します。すべての方にすぐ治療が必要になるわけではありませんが、治療が不要と判断された場合でも、定期的な検査は欠かせません。

治療が必要な場合には、主にウイルスの増殖を抑える内服薬(核酸アナログ製剤)などを検討します。治療の目的は、肝炎を落ち着かせ、肝硬変や肝がんへの進行を防ぐことです。薬を開始するかどうか、いつまで続けるかは、自己判断ではなく専門医と相談しながら決めることが大切です。



肝がんサーベイランスについて

B型肝炎では、肝炎の活動性が強い方、肝臓の線維化が進んでいる方、肝硬変がある方などで肝がんのリスクが高くなります。しかしB型肝炎では肝硬変がなくても肝がんが発生することがあるため、リスクに応じた定期的なサーベイランスが重要です。また、ウイルス量が薬で抑えられている場合でも、肝がんのリスクが完全になくなるわけではありません。そのため、症状がなくても定期的に肝がんを早期発見するための検査を続けることが大切です。

肝がんサーベイランスでは、腹部超音波検査、腫瘍マーカー(AFP、PIVKA-IIなど)、必要に応じてCTやMRIなどを組み合わせて評価します。検査の間隔は、肝臓の状態やリスクによって異なりますが、慢性肝炎や肝硬変のある方では定期的な画像検査と血液検査が勧められます。当院では、血液検査、腹部超音波検査、フィブロスキャンを組み合わせ、肝がんリスクを意識した継続的な管理を行います。 



このような方はご相談ください

· 健診や人間ドックでB型肝炎を指摘された方

· HBs抗原陽性、HBV-DNA陽性と言われた方

· 肝機能異常を指摘されたが原因がわからない方

· ご家族にB型肝炎の方がいる方

· 免疫を抑える薬、抗がん剤、生物学的製剤、ステロイド治療などを使用予定の方

· 過去にB型肝炎に感染した可能性があり、再活性化が心配な方

· 肝がんのリスクや定期検査について相談したい方  




まとめ

Q. B型肝炎は治りますか?
A. B型肝炎は、ウイルスを完全に体からなくすことが難しい場合があります。しかし、現在はウイルスの増殖を抑え、肝臓へのダメージを減らす治療があります。適切な管理により、肝硬変や肝がんのリスクを下げることが期待できます。


Q. B型肝炎キャリアと言われました。治療は必要ですか?
A.キャリアとは、B型肝炎ウイルスを体内に持っている状態を指します。肝機能が安定していてすぐに治療が必要ない場合もありますが、将来的に肝炎が活動的になることや、肝がんリスクが問題になることがあります。治療の必要性は、HBV-DNA量、ALT値、肝臓の硬さ、年齢、家族歴などを総合的に見て判断します。


Q. 症状がなくても通院が必要ですか?
A.はい。B型肝炎は症状がないまま進行することがあります。血液検査、画像検査、フィブロスキャンなどを組み合わせて、肝臓の状態を定期的に確認することが大切です。


Q. 家族も検査を受けた方がよいですか?
A.同居のご家族やパートナーは、感染の有無やワクチン接種の必要性を確認するため、検査をおすすめすることがあります。詳しくは診察時にご相談ください。


Q. B型肝炎再活性化とは何ですか?
A.過去または現在のB型肝炎ウイルス感染が、抗がん剤や免疫抑制薬などをきっかけに再び活動的になり、肝炎を起こすことです。治療前にB型肝炎の検査を行い、必要に応じて予防内服や定期的なHBV-DNA測定を行うことで、重症化を防ぐことが期待できます。


Q. 肝がんの検査はどのくらいの間隔で必要ですか?
A.必要な検査間隔は、肝臓の硬さ、肝機能、ウイルス量、年齢、家族歴、肝硬変の有無などによって異なります。一般的には、慢性B型肝炎や肝硬変のある方では、定期的な腹部超音波検査や腫瘍マーカー検査が大切です。診察時に一人ひとりのリスクに合わせて検査計画を立てます。  



肝臓専門医による継続的な管理が大切です

B型肝炎は、検査結果が安定している時期と、治療を検討すべき時期が変化することがあります。また、免疫抑制薬や抗がん剤治療に伴うB型肝炎再活性化、肝硬変や肝線維化を背景とした肝がんリスクにも注意が必要です。当院では、肝臓専門医が血液検査、腹部超音波検査、フィブロスキャンなどを用いて、患者さん一人ひとりの状態に合わせた診療を行います。健診で指摘された方、以前からB型肝炎と言われている方、再活性化や肝がんサーベイランスについて相談したい方は、お気軽にご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供を目的としたものです。症状や検査結果により必要な対応は異なりますので、診断や治療方針については医師にご相談ください。  
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