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肝臓専門医によるマンジャロ肥満・脂肪肝(MASLD/MASH)外来

脂肪肝(MASLD/MASH)とは

今や日本人の3人に1人が脂肪肝と言われており、肥満者の80%に脂肪肝がみられます。お酒をほとんど飲んでいなくても、肥満、糖尿病、脂質異常症などにより脂肪肝になることがあります。

代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD:Metabolic-Associated Steatotic Liver Disease)とは、脂肪肝に加え、肥満(日本人ではBMI≧23 kg/㎡)、耐糖能異常、高血圧、高中性脂肪血症、低HDL血症のいずれかを併発している疾患を指します。MASHはMASLDの進行形態であり、脂肪肝に加えて炎症や肝細胞の損傷が見られる状態を指します。放置すると線維化、肝硬変、最終的には肝細胞癌に進展するリスクがあります。 
今や日本人の3人に1人が脂肪肝と言われており、肥満者の80%に脂肪肝がみられます。

脂肪肝(MASLD/MASH)の治療

MASLD/MASHは肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などの生活習慣病と密接に関連しています。そのため、治療の基本は食事療法や運動療法による生活習慣の改善となります。肥満の方は、7%減量すればMASHが改善すると言われており、また10%の減量で肝臓の線維化も改善すると報告されています。しかし、食事運動療法のみで減量が難しいという悩みを抱えている方も増えています。

食事運動療法で効果が出にくい場合、薬物療法が選択肢となります。当院では消化器病・肝臓専門医の院長が、マンジャロを用いた肥満・脂肪肝専門外来を行っています。マンジャロの有効成分であるチルゼパチドは、GIP受容体とGLP-1受容体の両方に働きかけます。GIPは脂肪細胞や肝臓での脂質代謝を活性化し、蓄積された脂肪をエネルギーとして使いやすい状態に導きます。一方、GLP-1には食欲を抑え、胃の内容物の排出をゆっくりとする働きがあります。食事量が自然に減ることで摂取カロリーが抑えられ、結果的に肝臓への脂肪の蓄積そのものが少なくなります。このためマンジャロは強力な体重減少および脂肪蓄積改善効果により、MASHの解消、繊維化改善に有効であることが報告されております。ただし日本では2型糖尿病の治療薬としてのみ承認されており、肥満や脂肪肝の治療を目的とした処方は承認適応外の自由診療となります。  

肝臓専門医によるマンジャロ肥満・脂肪肝(MASLD/MASH)外来

当院の肥満・脂肪肝外来の特徴

マンジャロ治療の開始前と治療中に定期的にフィブロスキャンを行うことで、体重減少のみではなく肝臓の状態が改善しているかを数値で確認いたします。フィブロスキャンは、専用の超音波プローブを体表にあてるだけで肝臓の硬さ(線維化度:kPa)と脂肪蓄積度(CAP値:dB/m)を数分で測定できる検査です。痛みはなく、腹部エコー検査と同日に実施可能です。
<フィブロスキャン検査 こちら
フィブロスキャン

対象となる方

BMI 25以上で、以下のいずれかに該当する方を対象としています。
※美容・痩身目的の薬剤使用は当院では行っておりませんので、体格の基準に該当しない方は開始できません。 
  • 健診で脂肪肝・肝機能異常(ALT 30 U/L以上など)を指摘された方
  • 食事・運動療法を3か月以上試みたが十分な減量効果が得られなかった方
  • 脂質異常症・高血圧・2型糖尿病・高尿酸血症などの生活習慣病を合併している方
  • いびきや睡眠時無呼吸症候群(SAS)を指摘されている方

投与できない方

  • チルゼパチドの成分に対し過敏症の既往がある方
  • 1型糖尿病の方
  • 糖尿病性ケトアシドーシス、糖尿病性昏睡または前昏睡の方
  • 重症感染症、手術等の緊急時(2型糖尿病の方)
  • 膵炎の既往がある方
  • 甲状腺髄様がんの既往または家族歴(MEN2を含む)がある方
  • 重度の胃腸障害(重度の胃不全麻痺を含む)がある方
  • 経口避妊薬・ワーファリンを服用中の方
  • 妊娠中・授乳中・妊娠を計画している方
  • 18歳未満の方
  • その他、医師の判断で薬剤投与が不適切と判断した場合には処方できないことがあります。糖尿病薬投与中の方は主治医とご相談ください。

受診から治療までの流れ

① 初診時

  1. 問診(体重・食事・運動・飲酒歴・既往歴)
  2. 血液検査(肝機能・血糖・脂質・腎機能・甲状腺など)
  3. 腹部エコー検査
  4. フィブロスキャン(肝脂肪量・肝硬度測定)
  5. 医師による適応判断・承認適応外使用であることの説明・同意書確認
  6. マンジャロ 2.5mg処方(4週間分)
  7. 看護師による自己注射指導

② 2回目受診(4週間後)

副作用の有無と体重変化を確認します。問題なければ5mgへの増量を検討します。

③ 定期受診(4-8週間ごと)

体重・血液検査・副作用を確認し、必要に応じて投与量を段階的に調整します(最大15mgまで)。3〜6か月ごとにフィブロスキャンを再検し、肝脂肪量(CAP値)と肝硬度(kPa)の推移を確認します。

④ 治療終了(6-12か月目安)

目標体重に到達し、肝機能・フィブロスキャン数値が安定したら減量・休薬を検討します。終了後もリバウンド防止のため定期的な肝機能チェックと生活習慣指導の継続をお勧めしております。

費用一覧(自由診療・税込)


項目 料金(税込)
初診料(診察・血液検査・腹部エコー検査・フィブロスキャン検査) 12,000円
再診料(診察・血液検査・フィブロスキャン検査) 5,000円
再診料(診察のみ) 1,100円

マンジャロ薬剤費(4週間)

用量 料金(税込)
2.5mg 16,000円
5mg 28,000円
7.5mg 40,000円
10mg 48,000円

マンジャロの副作用について

① 吐き気・下痢・便秘などの消化器症状

マンジャロは胃の内容物がゆっくり小腸へ送られるため、食後の満腹感が長く続きます。これが食事量の自然な減少につながる反面、胃に食べ物がとどまる時間が長くなることで吐き気や胃もたれが起こりやすくなります。腸管の動きにも影響するため、便秘や下痢が生じることもあります。
これらの症状は、治療の開始直後や、お薬の量を増やした時に出やすくなります。 しかし、多くの場合、体が薬に慣れるにつれて自然に軽快していきます。 治療の初期は1回の食事量を普段の6〜7割程度に減らして回数を増やし、脂っこいものや香辛料の強い食事は胃に負担がかかりやすいため避けるのが無難です。症状が辛い場合は、自己判断で中止せず、必ず医師に相談してください。

② 注射部位の赤み・腫れ・しこり

マンジャロはご自身で皮下に注射するため、注射部位に皮膚症状が出ることがあります。 主な症状は、赤み、腫れ、かゆみ、痛み、内出血、しこり(硬結)などです。これらの症状は一時的なもので、数時間から数日で自然に消えることがほとんどです。 しかし、症状を繰り返さないためには、注射部位を変える、清潔を保つ、注射後は強く揉まないなど適切なケアが重要になります。

③ 冷え汗や動悸などの低血糖症状

マンジャロは、血糖値が高い時にだけインスリン分泌を促す仕組みを持っています。 そのため、マンジャロ単独の使用で重い低血糖を起こす可能性は低いとされます。 
ただし、以下のような状況では低血糖のリスクが高まるため注意が必要です。
  • 食事の量が極端に少ない、または食事を抜いた
  • いつもより激しい運動をした
  • 空腹時にアルコールを摂取した
冷え汗、動悸、手指の震え、めまい、ふらつきなどの低血糖症状を感じたら、ブドウ糖を含むジュースやラムネなどを摂取してください。

急性膵炎・胆石・胆嚢炎・腸閉塞といった重篤な副作用もまれに報告されております。腹痛、発熱、黄疸などの症状が出現した場合はすぐに医療機関を受診してください。 

まとめ

脂肪肝は放置すると、肝硬変、肝癌へと進行する可能性のある病態です。食事運動療法でなかなか体重が減らないとお悩みの方に、マンジャロという薬物療法の選択肢があります。ただし、マンジャロの肥満・脂肪肝目的での使用は日本の承認適応外であり、自由診療となる点はご理解ください。

当院の肥満・脂肪肝外来では消化器病・肝臓専門医である院長がフィブロスキャンによる肝臓の状態を確認しながら、消化器症状などの副作用管理も併せて行っております。健康診断で肥満や脂肪肝を指摘されたけれど、なかなか体重が減らず肝臓も心配という方はぜひ一度ご相談ください。 

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