腹痛
腹痛とは、お腹に感じる痛みや不快感の総称です。腹痛は非常によくみられる症状ですが、その原因は、胃や腸の病気、胆嚢や胆管、膵臓の病気、感染症、ストレスなどさまざまであり、中には緊急の治療を要する病気が隠れていることもあります。また、痛みの場所や性質、経過によって疑われる病気が異なるため、症状を詳しく把握することが診断の手がかりになります。
早めの受診をおすすめする方
* 突然の強い腹痛がある
* 発熱を伴う
* 吐き気や嘔吐を伴う
* 血便や黒色便がある
* 黄疸(皮膚や白目が黄色い)がある
* 数週間以上腹痛が続いている
* 体重減少を伴う
* 貧血を指摘されている
腹痛の種類
腹痛は、持続時間によって大きく急性腹痛と慢性腹痛に分けられます。
急性腹痛突然出現した腹痛で、数時間から数日以内に症状が進行するものです。
急性腹痛では、感染性胃腸炎や急性虫垂炎(盲腸)、胆石発作、胆のう炎、急性膵炎、腸閉塞(イレウス)などが原因になります。急激に発症し、痛みが強い場合や徐々に増悪する場合には注意が必要です。
▷胆のう結石とは▷急性膵炎とは▷大腸憩室とは慢性腹痛数週間から数か月以上にわたって続く腹痛です。
原因として、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの、特に検査をしても異常はないが長期に症状が続く疾患もあれば、慢性膵炎、慢性便秘、炎症性腸疾患、胆石症など適切な検査で診断可能なものも含まれています。
▷機能性ディスペプシアとは▷過敏性腸症候群とは▷慢性膵炎とは▷便秘とは 痛む場所によって考えられる病気
腹痛の部位は診断の重要な手がかりになります。
みぞおち(上腹部)
急性胃粘膜病変(AGML)、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん、急性膵炎、胆石症、胃アニサキス症などが考えられます。
右上腹部
胆石症、胆のう炎、肝疾患、胆道疾患などが疑われます。
左上腹部
胃の病気や、膵臓の病気などが疑われます。
おへその周囲
感染性胃腸炎、過敏性腸症候群、腸炎、虫垂炎初期などが疑われます。
右下腹部
急性虫垂炎、大腸憩室炎
などが代表的です。
左下腹部
大腸憩室炎、虚血性腸炎、慢性便秘などが考えられます。
診断
まず最も重要なのは病歴(症状の経過)です。以下の情報を詳細な問診により確認します。
・いつから痛いか
・どこが痛いか
・どのような痛みか
・食事との関係
・発熱や下痢の有無
・服薬歴
次に腹部の診察です。痛みはどの部位なのか、腹部全体なのか、おなかを押すと痛いのかなどを確認し、疑わしい疾患の目星をつけ、それに対する検査のスケジュールを立てます。
どのような検査をするのか
症状や疑われる病気に応じて、以下の検査を行います。
腹痛の原因は胃や十二指腸の病気だけでなく、大腸、胆のう、膵臓などさまざまです。そのため症状や診察所見から適切な検査(胃カメラ・大腸カメラ・超音波検査・CT検査)を選択することが重要です。
血液検査炎症や貧血、肝胆道系酵素、膵酵素などを調べます。
腹部超音波検査胆嚢疾患、胆道疾患、腎結石など(通常は背部痛だが、腹痛となる場合もある)の検出が適していますが、消化管疾患も診断可能な場合があります。
▷腹部超音波検査について胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)胃炎、胃潰瘍、胃がんなどを確認します。
▷胃カメラ検査について大腸カメラ(下部消化管内視鏡検査)腸がん、炎症性腸疾患などを調べます。
▷大腸カメラ検査についてCT検査腹部全体を詳しく評価します。急性虫垂炎、憩室炎、腸閉塞、膵炎などが疑われる場合にはCT検査が有用です。当院でCT検査が必要と判断した場合には、速やかに連携医療機関をご紹介いたします。
まとめ
腹痛は誰にでも起こりうるありふれた症状ですが、その原因は非常に多岐にわたります。胃炎や便秘など比較的よくみられる病気から、急性膵炎や胆のう炎、大腸がんなど、緊急での治療を要する病気までさまざまです。
特に、急性の腹痛の場合は、発熱を伴う、腹痛が強い、波がなく持続的な痛みである場合には、重篤な疾患である可能性が高くなります。慢性の腹痛であっても、血便や黒色便、下痢などの便通異常を伴う場合や、貧血、体重減少、黄疸を伴う場合には注意が必要です。
気になる症状のある方は、是非当院にご相談ください。